チベット聖山カイラス巡礼と、聖地ティルタプリ。標高4200m〜5650m、ヨーガ発祥の地にて。
過酷なヨーガ修行を終えて生還しました!
この間、私の平均 酸素濃度*は85%
仲間とヨーガや呼吸法をして酸素濃度を繰り返し90%台に戻していたので、問題なく元気に過ごしていました!
その体験記を、これから少しずつ投稿していきたいと思います。
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*カイラス巡礼中のハプニング にとぶ↓
*出国前の”荷物”の準備 にとぶ↓
*出国前の”肉体”の準備 にとぶ↓
*出国前の”精神”の準備 にとぶ↓
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※今回はインドではありません
カイラス巡礼中のハプニング
高所順応としてのチベット観光を経て、2日間のカイラス山コラ(巡礼)をしました。
世界の屋根で、太陽に近い場所で〜と想像していましたが、なんと、このコラの日だけ悪天候で…
1日目は大雨でずぶ濡れ。景色なんて全然見えない。
山で1泊する施設に暖炉があったので、服を乾かしたり身体を温めることができて、なんとか風邪を引かずに済みました。
2日目は夜中から雪が降っていて、巡礼道がまさかの積雪約20cm…
所々ラバ(ウマとロバの雑種)に乗って移動したのですが、途中で手違いがあり、馬子さんが私のリュックを持って先へ行ってしまいました。
その状況で、しかも雪山装備なしで下山…
自分のペースで下山しているため、周りに仲間はいない…
喉が乾いたけれど水筒がないからどうしよう…
そんな時、咄嗟の判断で、雪を食べて水分補給しました。
(聖山の雪なので、ありがたくいただきました)
糖分補給もしたいと思った時には、胸ポケットに飴をいくつか入れていたので、それを食べて何とか救われました。(こういうの大事)
そんなことをしながら、一人黙々と急勾配を下って”私のリュック”を追いかけました。
集中していたので、何時間歩いたのかわからない。時計見る余裕とか写真を撮る余裕はゼロ。
そして、ついに、馬子さんとの待ち合わせ場所の茶屋に到着。
そのときは、本当に「助かった」と思った!
先に到着していた仲間には「死にそうな顔してるよ」と言われました…笑
馬子さん見つけるまで少し時間がかかったのですが、見つけた時には感動!
「よく頑張ったね」と、背中を優しく叩いてくれました。泣
(実際はチベット語だから何を言っているかわからないけど、おそらくこう言っていたでしょう)
イケメン馬子さん、ありがとう。
また、チベット人は想像以上に強靭で、標高5000m以上の登山でも足早に登っていて、全く跡を追うことができませんでした。
途中で、4歳くらいの男の子が泣きながら親に引っ張られてスタスタ下山している姿を見た際には、「鍛え方が違う…」と実感。そして、男の子に完敗…
私は、崖から落ちそうになった時もありましたが、怪我なく、そして、体調を崩すことなく無事に下山。
途中ハイになって、ペースアップもしていました…笑
アドレナリンとドーパミンがドバドバ分泌されていたでしょうね。
翌日、翌々日になっても筋肉痛にならなかったことには驚きました!
日本での一応のトレーニングの成果が発揮できたようです。良かったぁ
出国前の”荷物”の準備
まず、チベットの地で生活できて、高山病や低体温症、栄養失調にならないために、そして、修行を全日程こなせるように様々な準備をしました。
まずは、経験者の話を聞いて持ち物を揃えたこと。
それも、最悪の状況を想定した上で、衣類・食料・道具などを日本で揃えて持っていきました。
衣類は冬物を買うことになるため、店頭に売っていないことが多く、インターネットで買いました。
直前になって旅行会社より、「預け荷物の重量制限が厳しくなった」との情報が入り、準備したもの全ては持っていきませんでした。しかし、お煎餅とか予備のアウターとかを抜いた程度だったので、過不足なかったです。
山用のウエアやグッズは機能性が良い分、お値段は高めです。しかし、しっかりしたものを買って本当に良かったと思いました。(悪天候だったので)
高山病や低体温症についても、調べてから行きました。
備えあれば憂いなしです。
出国前の”肉体”の準備
次に、高所で生活できるような体力と心肺機能を鍛えました。
先輩や師匠には「マスクをつけた状態で◯km走るように」と言われていました。
しかし、私が中学生の頃のバスケ部での、マスクをけて4kmを部員全員で足並み揃えて走るという辛いトレーニングがトラウマで…なるべく走りたくない、という思いが強くて…笑
無理のない範囲で、でも高山病で死なないためのトレーニングを、自分なりに考えてやってみました。
※個人差があるので、以下のことは参考程度にして、自分に必要なトレーニングを行なってください
私はまず、近所を走りました。「とりあえずマスクをつけて近所を走る」「途中で歩いてもいいから20分は外にいる」という目標を立てて。なので、ランニングというよりはジョギング。
すると、だんだん辛さがなくなり、距離や時間を増やすことができました。
マスクをつけて走れば、短い時間でも心肺機能を鍛えられるのでオススメです。
ただし、暑い日は熱中症に注意。
家の中でできるものとしては、ラージャ・ヨーガのアイソトニック運動(有酸素運動や筋トレ)です。
特別な道具は必要なく手軽ですが、意志の力は必要。とにかく「死なないために」と思ってやりました。
時間のあるときは、山へ行きました。
私は今まで登山は全然していないので、通いやすくて登りやすい茨城県の筑波山へ行くようにしていました。
低山なのですが、急勾配や岩があります。荷物をあえて重くして、それを背負って麓から登ると、とてもいいトレーニングになりました。
カイラス山コラの時に、筑波山でのトレーニングを思い出して、やっていて良かったとしみじみ思いました。
また、ヨーガの先輩より「自分に見合ったトレーニングを」というアドバイスをいただきました。
私の場合はなんだろう〜と考えた結果
「食べること」でした。
出発3ヶ月前からトレーニングの負荷を上げたのですが、「そういえば最近、身体が軽い」と出発数週間前に気づいて。
体重計に乗ってみたら…体重が減っていました。
皆さんは喜ぶかもしれませんが、私は逆で、、
このままでは体重が減る一方で、修行中に栄養失調で倒れてしまう…
しかも、倒れても病院なんてないから、チベットで鳥葬される羽目になると思い(だいぶ妄想…笑)
最後の2週間は、ご飯をたくさん食べるトレーニングをしました!
有酸素運動はほどほどにして、体力温存もしました。
他の仲間も出発直前は、トレーニングを控えていたようです。
今後カイラスへ行くヨーガ療法士さんは、年単位で鍛えることをお勧めします!鍛えておけば修行を楽しめます!!
チベットにいる間は予想が的中し、高所&環境のストレスで胃の働きは悪くなり、食べられる量は普段の半分くらい。
でも、出発前2週間で蓄えていたのと、日本から持ってきた行動食を部屋で食べて補っていたので、全然問題なし!
エネルギー不足を一切感じませんでした。疲労回復もバッチリ!!
自分の身体としっかり向き合って、準備しておくことの重要性を実感できました。
ちなみに60代70代の先輩方は私の倍くらい食べていました。インド修行時の他の先輩方もそうでした。私もそうなりたいと、いつも思います。
出国前の”精神”の準備
精神面のトレーニングもとても大事です。
不安や緊張などネガティブ感情があるだけでも酸素濃度は下がるそうです。
私の場合、出発前の1週間が超ナーバスで…。富士山よりも高い場所で生活するから、このままではマズイ(そもそも富士山も登ったことない)と思い、、
ヨーガの智慧を使った瞑想(ヴェーダ瞑想)で、メンタル強化をしていました。
日々のヨーガ聖典の学びも本当に役に立ちました。
そのおかげで、色んなハプニングがありましたが、冷静に判断して一つ一つ対処できました。
生きるか死ぬかの環境下では、冷静な判断力と精神のしなやかさが何より大事だということを学びました。
むしろ、これが一番重要だと思います。
帰国した翌日のFacebookには、こう投稿しました。
”今は文明の利器を感じております。
トイレとかシャワーとか電気とか冷蔵庫とかインターネットとか…
生活も、山の巡礼も、ヨーガ修行も…
過酷でスリル満点!だったけど、、
楽しかった!!!
また行って修行してパワーアップしたい。”
準備をしっかりしたことで、また行きたい!と思えました。
そして、いかに日本が平和で暮らしやすい国だということを身に染みました。
スタッフや仲間にも感謝です。
☆次回→高山病対策について
* * *
*酸素濃度…正しくは、酸素飽和度(SpO2 )のようです。パルスオキシメータをチベットに持って行き、朝晩は必ず測っていました。また、酸素が足りないと感じたときに、時々測っていました。
以下、日本呼吸器学会パンフレットより
https://www.jrs.or.jp/file/pulse-oximeter_general20211004.pdf
”SpO2 とは、心臓から全身に血液を送り出す動脈の中を流れている赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているか(酸素飽和度)、皮膚を通して(経皮的に)調べた値です”
”健康な方のSpO2の標準値は96~99%”
”SpO2が90%未満は呼吸不全の状態です。長期に継続すると、心臓や脳といった重要な臓器に充分な酸素が供給されず、障害を起こすことがあります。”
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